この記事は、「なぜ成功者は瞑想をしているのか?」というテーマのうち、感情の制御、特にアンガーコントロールについて掘り下げています。マインドフルネスや瞑想への理解を深めるために、ご一読ください。
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アンガーコントロールとは
2022年3月27日、第94回アメリカ・アカデミー賞の授賞式にて、有名なハリウッドスターのウィル・スミスさんが、同じく有名なコメディアンでもあり友人のクリス・ロックさんをビンタしたニュースは、あっという間に世界を駆け巡りました。
問題の発端は、司会を務めていたクリス・ロックさんが、その場にいた病気で髪の毛が短かったウィル・スミさんの妻ジェイダ・ピンケット・スミスさんをからかったこと。
これにはさまざまな見方があると思います。ビンタしたウィル・スミスさんが悪い、そもそも公表していた脱毛症をからかったクリス・ロックさんが悪いー。
しかし、大方の見方は、やはり「ビンタした」ウィル・スミスさんが暴力に訴えたことに対して、厳しい評価がされています。
その後、ウィル・スミスさんは謝罪をし、10年間のアカデミー賞授賞式への不参加処分を受けました。
このオスカー・ビンタ事件は、さまざまな考え方や社会が求めているものを理解するのに、とても考えさせられるものです。
アメリカ社会にある大方の判断がなされた「ビンタした方が悪い」というのは、つまり、「怒りを暴力に訴えることは許されない」「自己制御ができないことは一流ではない」「世間的にも有名な人は、冗談を笑って流せる器を持つべき」などの世間に暗黙の要求があったことを意味しています。
その大きな原因となっているのが、「アンガーコントロール(感情、特に怒りの制御)」というものです。
「怒り」の発生原因とは
この世の中で、「怒り」を感じたことなく一生を終えた人というのは、おそらく少ないでしょう。
(地球には色々な文化を持つ地域があるので、「ない」とは言い切れませんが・・・)
人が怒りを感じるのは、
①他人が自分に危害を加えた時
②人や環境が自分の思い通りにならない時
というのが主なパターンです。
①は、実は「防衛本能」とも解釈することができます。人間であれ、動物であれ、他者が自分に危害を加えようとすると、自分を守る本能を発揮します。
しかし、その中には、痛みを受けたから、当然痛みを返してよい、という「痛みは公平に感じるべきだ」と考えてしまうことにより、時に、「リベンジ」の欲求も生まれてきます。
②は、①と違うように見えますが、共通点があります。
それが「恐怖心」です。
つまり、①のように他人が自分に危害を加えるということは、自分が脅かされている恐怖そのものですし、②のように自分が望んだ方向に何かが行っていないと、「自分が否定されている」「この先が不安だ」という恐怖感情を抱くようになります。
結局のところ、「怒り」の元にあるのは、「恐怖感情」と「それに対する防衛反応」となります。
良い「怒り」と悪い「怒り」とは
実は、「怒り」の感情の中にも、良いものと悪いものがあります。
これは、いわば「怒る」ことと「叱る」ことの違いのようなものです。
怒る時には、とにかくむしゃくしゃしたり、相手にとにかく感情をぶつけたい、仕返しをしたい、そのような気持ちになります。
叱る時には、あえてその人のために言うことがほとんどです。
(たまに、叱ると称して、怒りをぶつけられることもありますが・・・)
前者の「怒る」は、感情の発散に対して、後者の「叱る」は、相手のためを思う気持ちが入っています。
この点において、良い怒りとは、「他者のため」「社会のため」という方向なのに対し、悪い怒りとは、感情のコントロールができていない、発散のための怒りということができます。
成功者と感情のコントロール
私が出会ってきた一流の成功者たちは、共通点がありました。
それは、穏やかで相手のことを気遣う配慮に満ちて、感情を統御しているということです。
(いつも怒っているようなキャラで見られている人でさえ、実際お会いするととても穏やかだったりします。)
何らかの道で成功していくためには、さまざまな課題を乗り越えていく必要があります。また、多くの人の協力が必要です。
つまり、感情をコントロールしているということは、ある意味、成功のステータスでもあり、それだけの人物であるということを意味しています。
また、相手への配慮や気遣うことができるのも、自身の感情を統御することが欠かせません。
感情をコントロールする瞑想の効果
こうした「怒り」の感情をはじめ、さまざまに出てくる感情、特に自分にも他人にもマイナスの影響を与える感情を統御するということは、成功者や成功を目指す方、今以上に人生を良くしていきたいという方には必須の能力です。
この感情をコントロールしていくために、最も効果的なのが「瞑想」です。
「マインドフルネス瞑想」とも呼ばれますが、両者は同じ淵源を持つ、同じ方法論を持っています。
それが、「感情をありのまま観察する」ということです。
感情をありのまま観察するということは、「怒り」という感情が出てきた時に、「自分は今、怒っている」「何に対して怒っている」「こうしたことがあったから怒っている」と観察できたならば、それをすぐさま暴力(力だけではなく、言葉も含めて)に訴えようとするでしょうか。
こうした感情を見つめる訓練をしていくのが、マインドフルネスであり、瞑想です。
このマインドフルネス瞑想を習慣にしていくと、感情を統御して、適切に発揮していくことができます。
決して、感情を押し殺していくものではなく、より豊かにしていくことができます。
おわりに
アンガーコントロールは、とても大切です。
最後に、大切なことを付け加えさせていただきますと、実は、アンガーコントロールは他人に対してだけではなく、自分に対しても大切なことです。
他人に怒りを発散している時であったとしても、実は、その深層心理を探っていくと、「自分に対して怒っている」「自分に悔しい思いがある」「自分が情けなくて、人を攻撃した」そうした、自分い対する怒りがあることが多くあります。
この怒りが自分に向いた時に、精神的にまいってしまったり、体調も悪くなってしまったり、自分を攻撃して、不幸感覚が強くなってしまうことがあります。
こうした自分に対する怒りから脱却して、ありのままの自分、今ここにいる自分に目覚めるために、成功者は瞑想を実践して、自己を統御しています。
ぜひ、この瞑想の習慣によって、人生を良い方向に拓いていきましょう。
こちらは「心を整えるためのマインドフルネス瞑想」です。誘導付きで簡単にできる瞑想ですので、取り組んでみてください。