この記事は、『なぜ成功者は瞑想をしているのか?~マインドフルネス瞑想とは~』というテーマの一部で、「ストレス低減」に着目しています。ストレスの仕組みから、マインドフルネス瞑想を活用したストレス低減法について解説しています。
マインドフルネス瞑想は、ストレス対策にとっても効果的だよ!
現代は新しいストレスが生まれている
「ストレス社会」とは言われて久しい言葉です。
日本では戦後、高度経済成長を迎え、第三次産業の従事者が増え、いわゆるデスクワークが急増しました。その中で、労働時間が増え、現代においても、多くの労働者が建物の中で、限られた人たちとの人間関係の中で、長時間の仕事を余儀なくされています。
また、”情報”の出発点であり、”流行”を作る手段ともなっている、SNSの活用により、人間関係にも変化が起きています。
その社会環境の変化によって、新たなストレスが生まれており、それらの特徴に対応して、「自分の心を守る技術」が必要になってきています。
自分の心を守りたい・・・
SNS社会で起きている人間関係の変化とは
①匿名性
SNS社会の中で起きている人間関係の変化の第一は、匿名性です。本名ではなくとも、架空のアバターやペルソナを設定して、誰もが”なりたい自分”を演じられる時代です。
そうした面白さはあるものの、匿名での投稿によって、それが人に対する誹謗中傷をしてもお咎めを受けない、という安心感が生まれることで、社会問題にも発展しています。この点、これからも発達し続ける、SNS、メタバース、仮想空間における倫理観も必要となってくるでしょう。
匿名性での発信のハードルが下がったことにより、全ての人が、評価を受け、批判をされる時代になってきました。
昔はよく喧嘩をしたら、先生が「○○さんと○○くんを呼んで、謝りなさい」と言っていたことが、全く通用しない時代になっています。
この言いっぱなしによる毒矢(誹謗中傷)に対して、どのような精神的態度を取るかが、新たなストレスに対する対処法にもなっています。
②リアル(現実世界)で本音が出せない
人間関係の変化の第二は、リアルで本音が出せなくなっている、ということです。メッセージアプリ上でのやりとりでは、様々な造語やステッカー、GIFなどで面白い表現ができたとしても、コミュニケーションはもはやアプリ内の方が濃くなっているため、リアルでの人間関係に苦手意識を持つ人も増えています。
それは、双方向の映像でのコミュニケーションにおいても同じことが言えます。
チャットや映像などでのコミュニケーションと、リアルでのコミュニケーションの違いは、その「深さ」にあります。
基本的に、デジタルを使ったコミュニケーションは、一方通行を繰り返すという特徴があります。今では当たり前になった、リモート会議も基本的には、一人が話して、次の人が話して、という形が多くなっています。技術の進歩により、複数人での話し合いも可能になってきてはいるものの、一方で、リアルのコミュニケーションは、言葉だけではない表現、つまり、間合い、表情、仕草、スモールトーク、など、デジタルではできないコミュニケーションをしています。
そのため、特に感情を伴う話は、その伝達内容は数倍から数十倍を必要とするため、現時点ではリアルに軍配が上がりそうです。
こうした変化の中にあって、新たなストレスとして、「自分の本音がわからない」「自分の感情をどう表現して良いかわからない」などが生まれており、それを避けるために、リアルでの付き合いを減らし、会社ではアバターの自分で出勤する、という人も出てきています。
そう言えば、ここ1年誰ともご飯食べに行ってないな・・・
ストレスの影響
「あなたはどの程度ストレスを持っていますか?」と聞かれると、即座に答えられる人は、多くはありません。中には、明らかに不平不満が溜まっている、嫌なことがある真っ最中であるという人は即答できるものの、普通に生活している中で、自分のストレスに気づいていない人も数多くいます。
実は、このストレスを発見するというのは、そう簡単ではありません。何となく生活をしている中にも、その心の奥深くには、現状の自分に満足していない部分や、無理をして人や環境のモノサシに合わせている部分があります。言われると、「そう言えばあったかも」と思い出すことはあっても、普段からそれらのストレスに対処していないのが普通です。
しかし、こうした「隠れストレス」は、着々とあなたの精神や健康に影響を与えています。
この隠れストレスが、時々顔を出してくるんだよね〜
ストレスとマインドフルネス瞑想の関係
現在、世界中の医療機関においても、マインドフルネス瞑想の効果が研究されており、その過程で、「ストレスが血圧やコレステロール値を上昇させ、心臓発作、高血圧、心疾患などを引き起こす場合がある」ということが発見されています。
イギリスの精神保健財団の調査においても、68%の内科医が「健康に問題を抱えている人にとって、マインドフルネスは有効である」との見解を示しています。
想像してみてください。
大自然の中で、何の義務もなく、食べ物に困る心配も生活に困る心配もなく、誰からも批判されることなく、とても気の合う人たちと、いたいだけいることができるー。
決められた時間に出勤する必要もなく、お金に困ることもない、欲しいものは欲しいだけ手に入る状態ー。
本当にこれらを想像できたら、その瞬間、ストレスを手放すことができるかもしれません。
想像しただけでヨダレが・・・
しかし、社会を発展させていくためには、より高度な仕事によって、生産性や創造性を高めていく必要がありますし、国民全員が上記のような生活をしていたら、”幸福度”は高くなるかもしれませんが、その”幸福”というものが、もしかしたら現状維持や停滞につながり、いわゆる”昔返り”になってしまいます。
そのため、複雑な人間関係や仕事の中で、同時に自分自身のストレスに責任を持ち、自分の心をいたわる習慣を持つことが必要です。それが、このブログのテーマでもある、マインドフルネス瞑想でもあります。
ストレスの正体
上記のようなストレスが心や健康にも影響を与え、さらにそこには隠れたものがたくさんあって、なかなか発見できないということを述べました。
では、この現代の大敵「ストレス」とは一体何なのでしょうか?
定義においては、「外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態」とされています。つまり、人や環境からの影響によって、何らかの刺激や変化、対応を求められ、それがすぐには解決できないような状態に見える時のことを指します。
元々、ストレスとは、「押し付ける」や「抑える」という意味でもあるため、何らかの外的要因に押し付けられていると感じている心の状態を言います。
しかし、以下のようにもっと平たい言葉でストレスを分解していくと、当てはまるものがあるかもしれません。
ストレスは外から来るもの
まず、ストレスは外部から来る、ということに着目してみましょう。
外部から来るということは、本来、自分だけでうまく人生や仕事が回っていたら、何も緊張状態は生まれません。
それゆえ、仕事では緊張していても、自宅に帰るとそこは心理的安全が確保された居場所であるため、緊張状態がなくなります。
つまり、自分以外の人、特に自分が影響を受けざるを得ない人や環境との関わりを持つときに、それは少なからず、ストレス要因になっているということです。
何となく自分が悪いんだと思ってた〜
緊張状態のストレス
2つ目は、刺激を受けたときの緊張状態についてです。
人から何かを依頼されても、全てが緊張状態になるわけではありません。
例えば、仕事においても、慣れた仕事や簡単に思える仕事においては、「はい、わかりました」と何も抵抗がなく受けることができるでしょう。
しかし、初めての仕事、困難に思える仕事、できるかどうかわからない仕事、生死がかかっていたり、社運がかかっているような仕事においては、当然緊張感が生じます。この際に生じている感情は、不安や恐怖と言われるものです。
つまり、ストレスの元は、心理的安全性や自分自身のコンフォートゾーンを越えようとする不安や恐怖にあるということです。
一方で、仕事を例に取れば、仕事に慣れたり、能力や技能を高めたりすることで、不安や恐怖に感じる部分が少なくなり、「できる」と思える心理的安全の中で、受け止める幅が広がることでしょう。
ストレスを低減するマインドフルネス
こうしたストレスを低減していくために、近年、マインドフルネスが着目されています。
ストレスを発散するために、夜な夜な飲み会や暴飲暴食、愚痴を言い続けても、心も体も健康が損なわれてしまいます。
そうしたストレスを低減するために、自分自身の中で完結できる方法がマインドフルネス瞑想です。
ストレス要因に意識を集中しない
なぜ、マインドフルネス瞑想がストレスを低減させるかというと、第一にストレス要因に意識を集中させない、という訓練になるからです。
前述の、気の合う同僚と会社の悪口を言ったり、人の悪口を言ったりして、ストレスは発散できるかもしれませんが、要は、自分に対して与えられた外的な刺激を追い返そうとしている行為であり、その刺激要因がなくなれば、ストレスも消えるということです。
その一番の方法は「忘れる」ということです。これをマインドフルネスにおいては、「手放す」と言っています。
なぜなら、自分で意識を「刺激」に向けているため、それは客観的に見れば、自分でストレス要因を握っている、自分がそこに意識を集中させている状態だからです。それを自ら「手放す」ことで、あなたの意識をストレス要因から引き離していくという効果があります。
外部要因をシャットアウトする
第二は、外的要因をシャットアウトするということです。
ストレスの元が「外からの刺激」であるならば、その影響をシャットアウトしてしまえば、そもそもストレスの原因はなくなります。それをマインドフルネスにおいて、「今、ここに集中する」と言っています。
これは、過去ではなく今、外ではなくここ、つまり自分に集中することで、外的要因を遮断していくという心のコントロール訓練です。
大抵、ストレス要因は、時系列で過去の出来事や未来への不安から生じています。それを、今、自分だけの時間、瞬間に戻ることで、自分だけの安全な空間を作り出していきます。
慣れてくると普段からこうなれるよ!
ストレスがなくなるマインドフルネス瞑想法
今回は、ストレスがなくなるマインドフルネス瞑想のやり方を示していきます。
- まず、なるべく騒音が入らない一人になれる場所を確保します。
- 次に、目を瞑って、深呼吸をします。
深呼吸の方法は、お腹が膨らむくらい鼻から吸って、お腹がへこむくらい口から吐いていきます。
- これを基本の呼吸にして、意識を今、ここに向けていきます。
頭の中に、イライラすることやストレスに感じることが現れてきたら、それを深呼吸をしながら、あたかも頭に沸いた泡のように客観的にみていきます。
深呼吸をしながら見ていくと、だんだんと客観的に見えるようになります。
それは他人の考えのように、あたかも映画に出てくるワンシーンのように、こういう状況があるんだな、という他人事のような認識をしていきます。
さらに、深呼吸をしながら、湧いて出てくる感情や思いを、泡の中に浮かんだ考えのように認識していきます。
大切なことは、不安や恐怖をコントロールしないことです。ここへの心理的抵抗がストレスを生んでいきます。
不安や恐怖は湧いてくるものですが、個人差はあるものの、この呼吸の中で、意識を今、ここに集中させていくことを10分程度続けていくと、不思議と自然に消えてい苦でしょう。
この自然に消えていくというのがポイントです。
この呼吸をしながらマインドフルネス瞑想によって、今、ここ=自分に意識を集中させ、自分の心理的安全を感じることができます。
すると、あなたの感じていたストレスは、不思議と少なくなっているのを感じることでしょう。
こうしたマインドフルネス瞑想は、自分で行うことはなかなか難しいものがあるかもしれません。
もちろん、慣れてくれば可能ですが、時折、自分で行っていると、逆にぐるぐると考えすぎてしまって、なかなか瞑想にならないということもあります。そうしたときには、誘導付きの瞑想がおすすめです。
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