今日ご紹介する本は心のお金持ちになる教科書です。とても大事なことがぎゅっと詰まったこの1冊。有名なベストセラー作家の望月敏孝さんが書かれました。
本書では、この方がお金を通して学んだ実体験がまとめられています。
表紙には、「借金6000万円から復活した、僕だから伝えられる」とあります。
借金6000万円からなんと、1年でそれを返済するに至った奇跡のようなお話です。
実は、このミラクルは、お金に対する考え方や心がまえが変わったことから生まれました。
著者はお金に対する捉え方を、このように語っています。
「お金は人生の最高の先生となり、人生の導き手となる。また人生を映し出す鏡です」。
やはり、このような体験を通して数多くのことを学ばれ、またそれをシェアしてこられた著者だからこそ言える言葉かもしれません。
お金を通して学ぶことはたくさんありますよね。
収入を上げようと努力する中にもたくさんの学びがありますし、お金で苦労した経験の中にも学びがあります。
お金を中心に様々なことを学びぶことから、人生を映し出していると言われているのも過言ではないと思います。
本書を深く理解していくと、お金に対する考え方がかなり変わってくると思います。
それでは早速内容に入っていきたいと思います。
お金は感情と強く結びついている?!
まず一つ目のポイントは、お金は感情と強く結びついているということ。
いきなり意外かもしれませんが、例えば急に投資やギャンブルで、一瞬にして100万円を失ったら、経済状況によって違うかもしれませんが、なかなか平静心でいられる人は少ないと思います。
また突然、100万円の臨時収入を手にしたらどうでしょうか。
嬉しいですよね。
そのようにまずお金は、感情を激しく揺さぶるものということです。
そして著者は、お金持ちになれるかどうかは、感情が9割であると言っています。
これはこの著者だけが言っているのではなく、ファイナンシャル心理学の第一人者も同じことを言っています。
それは、「お金に関する意思決定は90%が感情的に行われている」というもの。
心当たりがあるのではないでしょうか。
会社などで多くの人の目が入り、これをこういう風に使っていったらいいというのは別としても、個人で使うことになると、かなりの程度、感覚や感情でお金を使ってることを多いと思います。
それがどのぐらいの人が行われているのかを示す例としてニュートンの話が載っています。
ニュートンというのは万有引力の法則を発見した、近代の天才科学者です。彼はは理性の象徴とも思える人です。
時代は1720年のイギリス。当時は空前の株式バブルの中にありました。
年初に政府が売り出した会社の株が、夏には10倍にもなっていた様な時代でした。当時その株を買っていたニュートンは、10倍になって株を売ることにします。
ここまでは賢明な判断だと思います。しかし売ってからも株価の上昇が止まりませんでした。そこで理性の象徴とも言えるあのニュートンの感情は大きく揺れ動き、感情を抑えきれず、株をさらに買い直すことに踏み切りました。要は、株価が高くなって、上がっている状態で売ったにもかかわらず、また買い直したということです。
ところが政府の規制が入り、株価は暴落します。
ニュートンが投資した時点では1000ポンドという金額でしたが、半年後に120ポンドになってしまい、なんと1/8にまで暴落して、破産者が続出しました。
ニュートはこの時、一度買い直してそこからスタートしていたので、株価がどんどんと落ちていったのですが、どんどんと買い増しをしていきました。
いわゆるナンピン買いというものです。これは取得価格の平均値を下げるという手法です。
その結果、ニュートンは大損失を被ります。その時ニュートンはこんな言葉を残しています。
「私は天体の動きは計算できるが、人々の狂った行動は計算できない。」
あのニュートンでさえ、お金に関しては理性的、合理的な判断ができず、同じように狂ったような行動をしてしまったということです。
感情というのは、とても本能的なため、コントロールが難しいものです。
しかし、これはお金と感情が深く結びついてるものだと悟り、少しでもコントロールしていけるようになることが重要であることを教えてくれる事例ではないでしょうか。
また、お金はあなたの本心を見せてくれ、感情や性格を増幅して見せてくれるものだとも教えてくれています。
著者はここでハワイのセミナーに行く費用として、銀行から800万円を借りてアパートに持ち帰って過ごしていた時のことを回想しています。この時ずっとビクビクしていたそうです。
当時の自分には、そんな豊かさを受け取れるような器がなかったと振り返っています。
私たちの多くはお金を持っても不安で、お金がなくても不安という心理状態にいます。
そして著者は、「これくらいでいい」と自分で決めた程度のお金を扱う人生を選んでいると言っています。
確かに、お金の器に関して、ブロックがあるのではないでしょうか。
お金は感情だけではなく、「人生や自分をどう見るか」ということともかなり密接につながっているのです。
豊かさの種類には6つもある!
さらにお金と密接につながっている豊かさも、ここで解説されています。
実はお金は、豊かさのすべてではないということです。
豊かさには全部で6種類あり、お金はその一つにすぎないということが言われています。
その6つの豊かさとは、一つ目がお金の豊かさとして、「マネーリッチ」と言います。
お金に関する豊かさや、経済的な豊かさや、家や車などを所有する物質的な豊かさが満たされているという事、これは豊かさの象徴でもありますね。
ですがこれだけではなく、2つ目には仕事の豊かさ、「ワークリッチ」と言われています。
これは仕事で得られる豊かさや充実感、キャリア、貢献することによる自己成長なども豊かさであると言われています。
さらに3つ目は健康の豊かさ、「ヘルスリッチ」です。
健康であること、また美容やアンチエイジング、外見などもここに反映されていきます。
さらに4つ目は心の豊かさ、「マインドリッチ」です。
これが、マネーリッチを実現するための土台であると著者は言います。
さらに5つ目は人間関係の豊かさにあたる、「フレンドリッチ」です。
人間関係が豊かであることや、家族関係、パートナーなどに恵まれていたり、コミュニティで交流や貢献ができることは、ワークリッチ、すなわち仕事の豊かさを実現する土台と言われています。
さらに6つ目は時間の豊かさである、「タイムリッチ」です。
時間的なゆとり、つまり、「やりたいことをやる時間」、「自分のために使う時間」などのことを言います。
これはヘルスリッチ、すなわち健康の豊かさを実現するための土台なのです。
以上、豊かさとは「マネーリッチ」、「ワークリッチ」、「ヘルスリッチ」、「マインドリッチ」、「フレンドリッチ」、「タイムリッチ」の以上の6つで形成されていきます。
お金の豊かさのことを、マネーリッチだけにとらわれてしまうと、他の豊かさを後回しにしてしまうことになってしまいます。
ですから、様々な豊かさを味わう中で、このマネーリッチも実現されていくということなのです。
著者の体験によると、30年前はマネーリッチしか見えなくなっていたそうです。
そして、借金6000万円を早く返さなければと焦り、時給1000円の仕事を3つ掛け持ちしていたそうです。
そこには仕事の豊かさや、やりがいもなく、ワークリッチを犠牲にしてたそうです。
さらに睡眠時間や、自分をケアする時間も全て削っていたので、タイムリッチを犠牲にしていらっしゃいました。
また全身がアトピー性皮膚炎だったのが、ストレスが重なってどんどん悪くなってしまい、ヘルスリッチも犠牲にしてしまったそうです。
そして家族のことも顧みなかったので、フレンドリッチを犠牲にしてきたそうです。
お金を最優先に考えてしまい、失っていったものが大きかった。そして実は失っていったものの中に、豊かさを実現する土台が数多くあったという気づきが書かれています。
やれどもやれども、なかなかマネーリッチが実現せず、豊かさを感じることができないという循環に陥っていたそうです。
著者はまず、このマインドリッチに目覚めた結果、人生が変わっていったと言われています。
お金を得ることだけを考えるのではなく、すべての6つの豊かさがつながり、様々な豊かさと連動してお金を生かしていくことを考えると、逆に豊かさがどんどん引き寄せられてきたそうです。
その結果再出発して、1年で借金6000万円を返済。
2年目で3階建ての家を購入。そして出版を果たして本が10万部を超える大ヒットになったのです。
ものすごいV字回復ですね。
それぐらいお金に対する捉え方を変え、ブロックを外していくと、そのような効果があることを意味しています。
著者は、本当の豊かさとは「マネーリッチ×マインドリッチ」であると言っています。
これは本当にそうだと思います。いくらマネーリッチでも、マインドが貧しかったら幸福感は感じることができません。
またマインドリッチだけだったとしても、マネーリッチがある程度、適切なところまでなかったら、どんどんと心がすさんでってしまうかもしれません。
この2つを目指そすことが大切であるということです。
メンターのささる話・・・
ここであるメンターの言葉を紹介しています。
そのメンターは当時苦しんでいた著者に対して、「本当の豊かさというものは、お金やものを気持ちよく使うことができることなんだよ」と言いました。
また、お金持ちになる前から「手にしているものに感謝して、それを思いっきりワクワク楽しんで活用してたんだよ」とそのお金持ちになったメンターが言っていました。
それが今の豊かさを生んで、さらにそれを増幅し続けている秘訣なんだと。
さらにお金があるから幸せなのではなく、幸せで感謝しているからお金がついてくるんだということも言っています。
おそらく、このメンターは推察するにかなりの有名な方だと思うのですが、とても重要なことを言われています。
さらにそのメンターが具体的に教えてくれ、3万円のフランス料理のフルコースを食べても、300円のかけそばを食べながらでも、同じか、それ以上の幸せを味わうこともできるんだと言っています。
それを著者の体験談で、結構感動的なストーリーをコラムとして書かれています。
著者が高校生の頃に、卓球に夢中になって名門校に入学をし、親元を離れたそうです。
そして朝決まって立ち食いそば屋に行ったそうなんですが、そこでかけそばを頼むと、いつも女性の主人がお芋の天ぷらを乗せてくれたそうです。
注文していないんですけどと言っても、「いいの、気にしないから食べて」と言って、いつも優しくしてくれていたそうです。
ある時奮発をしてかけそばにソーセージの天ぷらを追加したら、次の日からソーセージの天ぷらを入れてくれていたと、メンターから話を聞いて、このことを思い出したそうです。
あなたは、自己投資をしていますか?
さて次のポイントはお金の使い方です。
ここでは実践的なワークとして、お楽しみ1000円ゲームということをセミナーでされているそうです。
それはもともとの1000円を、どれだけ価値が高いものに使うことができるかということです。
つまり、投資対効果が高いものに使うための訓練によって、実は豊かさが何倍にもなって返ってくるのです。
例えばここで言われているのは、自己投資です。
自分自身に投資をして、自己啓発をしていくことです。
ここでも書かれていますが、日本人が自主学習、つまり自己投資をしている割合は、代表的な国に比べて3分の1程度となっているということです。
職場だけで学べることに絞ってしまい、家に帰ったらなかなか自主学習とか自己啓発に時間を割くことができないかも知れません。
何か目標があったり、こうなりたいという夢などを明確にしていなければ、時間をあっという間に消費してしまうので、この辺が日本の経済力にも表れてきてしまってるかもしれません。
当チャンネルの配信をご覧いただいてたりすると、いろんなことが学べるように配信させていただいています。
本要約もそうですが、クオリティオブライフやウェルビーイングを高めるヒント数多く配信しています。
またマインドリッチにもなるために、瞑想やアファメーションなども配信しています。
是非、大切な自己投資と思って今後もご覧いただければと思います。
「価値」に目を向ける
さて、著者はお金の使い方として、その使ったお金が何倍にもなって戻ってくることを言っていますが、そのポイントは「価値に目を向けること」だと言っています。
それは当たり前かもしれませんが、ほとんどの場合、価値判断をして、お金を使っています。
確かにこれが高い、安いというのを判断します。
その中でも、投資し甲斐がある価値として、投資の神様と言われるウォーレンバフェットの言葉も紹介しています。
それは、最終的にその他のどのような投資にも勝る投資は、先ほどもお伝えしたように、自分自身への投資だということです。
自分に投資をするということは、自分の未来の可能性を信じているということです。
自分に使うお金、また自分自身にかける時間や、何かの学びにかける時間は、全て自己投資です。
この価値に目を向けて、さらに価値の高いお金の使い方をしていくことで、お金が何倍にもなって戻ってくる方法です。
その使う時にはこんな言葉も紹介しています。
お金を出すときは心の中で「10倍になって戻っておいで」と言ってそれをイメージしながら感謝してお金を送り出そうすると、あなたはみるみる豊かになっていく。
支払ったお金が10倍になってきたら嬉しいですよね。
そういうお金の使い方をしていけるようになると、それが「自己投資」や「価値に目を向ける」ということです。
さらに次には「感謝」の大切さも言っています。
例えば1個のリンゴがあって、もう一つは一口かじられたリンゴがあって、どちらに目が行くかを想像してみてください。
きっと、かじられたリンゴに目が行ってしまいますよね。
その時に、1割ぐらいがかじられていたとして、かじられている1割を見るのか、残りの9割を見るのか、それによって意識がだいぶ変わってくると言っています。
無いという状態や、自分の欠けた部分にものすごく意識を向けてしまうと、お金の不足感が現れます。
だからこそ、感謝によってポジティブな感情を自分の中に生み出していくことが大切です。
そして、そのためにも今持っている、できる限りの自分の豊かさを感じるワークや、実感するワークが必要なのです。
この辺も、今後、参考にした誘導瞑想を配信させていただきたいと思いますので、また配信を楽しみにしていただければと思います。
お金のブロックを外す
こうした「無い状態」とか、反対の「ある状態」をどう見るかという豊かさの器というのが、実は12歳までの人生の初期に作られていると言われています。
人間はシンボルか、記号など、何かを見ると連想して思い出すようになります。
つまり「お金=何々」という意味づけが、小さい頃からされているのです。
同様に「自分=何々」という自分自身に対するイメージセルフイメージもこの時期に作られていきます。
例えば、お金を通じて両親がずっと喧嘩していたら、お金は喧嘩を呼び込むものと思ってしまいます。
また親の自分に対する態度を見て、自分はこういう人だというイメージを作っていったりします。
これらは心のブロックと呼ばれています。
要は、固定観念が自分の中にできていて、それを超えて自分を認めることや、また豊かさを得ることができないということです。
これを変えていくことが、とても重要なのです。
著者にとって、お金のブロックは、父親が野球の中継を見て何気なく言っていた一言だったそうです。
それは、「この人たちは大好きなことをやってお金がもらえていいよな」という一言です。
その時に幼い著者は、「好きなことをしてお金をもらったら人から非難されるんだ」、つまり「お金というのは苦労して、我慢するともらえるもの」だと、お金に対するセルフイメージが出来上がったそうです。
このようなブロックがあるのとないのでは、発想が全く変わってきます。
アメリカのハーバード大学では、こうしたお金の使い方を考えさせる授業を行っています。
ある授業では、5ドルを渡して、グループごとに利益をあげるビジネスを考えて実行してもらい、その内容を授業で発表してもらうというのがあります。
そしてだいたいの方が考えたのは、5ドルでスポンジや洗剤を買って車を洗うサービスをするとか、5ドルでフリーマーケットに出店するとか、材料を買ってお菓子を販売するとか、そうしたものだったそうです。
どう頑張っても、売り上げが400ドルから500ドル、現在の日本円で56万円ぐらいにしかなかったそうです。
普通といえば普通ですし、利益を上げられるのもすごいかもしれません。
しかし他のチームは、この10倍以上の額を稼ぐアイデアを出してきたところもありました。
そのチームの共通点は、もらった5ドルを全く使わなかったことにあります。
どのように考えたかというと、5ドルというお金以外の価値に注目したからです。
まずは時間という資産に注目したチームがあります。
彼らは本当の元手は、5ドルをもらったお金ではなく、次回の授業で発表させてもらえるという時間だと気づき、大学生の勧誘をしたい企業に対して、その時間を売り込んだと言っています。何とも賢いですよね。
さらに別なチームは、個性という資産に注目しました。元手の5ドルというのではなく、自分たちの特技や、得意なことを資産として、それを教えるワークショップを開催しました。
さらには、空間という資産に着目したチームもありました。それはハーバード大学という大学のキャンパスの中庭を自由に使える権利、これが資産だと思い、そこで色々なサービスを展開し、10倍以上の売り上げを上げました。
この授業で教授が教えたかったことは、5ドルというお金に目がいってしまい、これが制約になって、ついついこの制約に意識が行ってしまうことでした。
5ドルでなんとかしなければならないと思ってしまうのと、5ドルの枠組みを超えて、どんなチャンスを生み出せるだろうかと考えることでは、発想が全く変わってきます。
このことを、教えたかったという授業だったのです。
お金そのものが、私たちの制約になっている。
その結果、それ以上の期待を望めないような意識が生まれてしまっているということです。
お金があるから何かができる、あるいはお金がないからこれができないという意識です。
物事のある側面、チャンスという側面、別な側面を見ることによって、新たな価値を生み出すことができるということです。
この授業に出た学生で、たくさんの売り上げを上げた方はこう言ったそうです。
「お金を追うな、価値を追え」と。
今、どんな価値を持っていて、それがどのような価値に転換できるのか、そうした発想が可能になってくるということです。
以上、本書のポイントをご紹介いたしました。
本書では、他にもお金や人生そのものに関わる大切なことがたくさん詰まっています。
あなたのお金に関する価値観が変わる、一冊になるのではないでしょうか。